伝説の眠る町・ティンタジェル(1日目)
伝説の街、ティンタジェル。その地形や風土は伝説をよりリアルに感じさせる。交通機関も少なく、訪れるには多少の努力が必要。
※ここでは、他の土地と違って日記形式でお送りします。私の浮かれぶりをとくとご覧下さい。
INTRODUCTION
出発前日。
私とダンナは、パディントン駅から電話をかけてティンタジェルのとあるB&Bを予約しました。そのB&Bの名は『PENDRAGON
HOUSE』。そうさ、行くならとことんやってやらねば。
この宿は前の日に学校のインターネットで探した宿。ティンタジェルには沢山のB&Bがあると聞いてたんですが、もちろん名前だけで即、決。ああ、バカだなあ。
それで、使えない英語をなんとか駆使して予約OK。これで1日目は寝るところに困らないぞ。
そして次は列車のチケットを購入。バスの方が断然安いけど、片道6時間とか、それ以上とか…うう、さすがに辛いざんす。
『アーサー王伝説紀行』では、加藤女史は10年前にペンザンス行きの列車に乗り、ボドミン・パークウェイで下車したとのこと。私もそれに習ってボドミン・パークウェイまでのチケットを買いました。ボドミン・パークウェイからティンタジェルまでの交通は皆無だと知ってはいましたが、タクシーを使えばどうにかなると楽観視してGO!
地図を見ればわずか20km足らずの距離。渋谷から川崎の実家までのタクシー料金を考えれば(考えるなって)、そんなに法外な値段は取られないだろうとここでまた楽観視。
頼りは『アーサー王伝説紀行』とウィンチェスターで購入したアーサー王関連の本のみ。いや、OK、OK。どうにかなるさね。
ティンタジェルへの道
出発当日。学校をブッチして(いえ…ちゃんと先生に断りました…)ホームステイ先に戻り、カバン1つでパディントン駅へ。パディントン駅は古いせいか、ちょっと上野駅の雰囲気に似ているような気がする。日本と違って車内で切符をチェックするので改札は無いけれど。
英国の国鉄は定時に発車するためしが無いと聞いていたが、やっぱり30分前になっても発車するプラットホーム番号の掲示がまだされていない〜。どのプラットホームの表示を見ても『Delay(遅れ)』の表示があるし。まあ、最初から信用などしていないので別にどうって事は無いけどね。ただ不思議に思うのはどうせ遅れると分かっているなら何故無理なダイヤグラムを組んだりするんだろう…?
とりあえずブーツでサンドイッチと水を買い込み、列車の到着を待っていると、なんと目的の列車が遅れることなく到着!早速列車に乗り込むと奇跡的に(笑)ほぼ定時に出発。すごいぞ、列車!!…ってあたりまえか。
ロンドンからボドミン・パークウェイまで4時間弱の道のり。ところが次の駅に到着した時点ですでに10分の遅れが!一体どうなっているんだ?列車に渋滞も何も無いし遅れの原因は一体?ああ、まったく英国って奴は不思議だよ。
2時間が過ぎてエクセターを通過する頃から海が見えてきた。大西洋!!生まれて初めて見る大西洋にちょっと感動。この時は天気も良く青い海が果てしなく続いていて、ヘンな話だがなんとなく江ノ電(鎌倉〜藤沢のローカル電車。街中では路面電車と化す。)に乗っているような気分になっていた。
ところがどんどん進むにつれ、江ノ電気分はいつの間にやら箱根登山鉄道な気分へ。おいおい!一体私はどこへ向かおうとしているのだ!? そして40分遅れで17:40ごろボドミン・パークウェイ駅に到着。
…ここは、何処…?
マジで駅とバス停しか無いじゃあないか!!まわりは山だよう!!! バス停の周りには1台のバスと2台のタクシー。バス停の運ちゃん(?)に聞くとティンタジェル方面に行くバスは無いという。(今日はもう無いのか、果たしてハナから無いのかそこまで聞く英語力は持ち合わせていなかった…)。
…予想通りじゃないですか(涙)。やっぱりタクシーなのね…。
タクシーだと£20強で30〜40分とのこと。OK!やっぱり予想通り。
ためらわずにタクシー(…といっても8人乗りのバン)に乗り込んだ。目指すはもちろんティンタジェル。途中、ボドミン・ムーアを通過し、一路ティンタジェルへ。 聞けば、少し訛りの入ったドライバーのおじちゃんの名前もアーサーだと言う。 この時、天気はあまり良くなく少し小雨がちらついていたが、『いかにもティンタジェル!』といった勝手な思い込みでかなりいい気分に。
そして、ああ!ティンタジェルだよ。低くたれこめた雲と何処までも続く丘と海。写真で見慣れた絶壁は見えなかったが、確かにティンタジェルに着いたのだ。
←別の日に撮ったので天気が良いです^^
ティンタジェルの町
左・PENDRADON HOUSE 右・ティンタジェル小学校
18時30分も過ぎ、今夜の宿、ペンドラゴン・ハウスに到着。名前とは裏腹にとても可愛らしくてキレイなB&Bでびっくり。ロケーションも良く、ティンタジェルの町まで徒歩20分くらい(ちょっと遠いかな…?でも、町が見えるんです)。
少し雨が降っていたが私とダンナは早速荷物を置いてティンタジェルの町へと繰り出した。夕方といえど、夏の英国はとても日が長い。日が沈むのは21:30頃だし。
ティンタジェルの町はとても小さい。そして様々な単語があたりまえのように並んでいる。『Merlin's〜』とか『King Arthur's〜』などなど…。
キャメロット・ホテル1
少しぶらぶらと歩いていると、向こうの方に『キャメロットホテル』が見えてきた。キャメロットホテル。みんさんから情報は仕入れていたが、こんなに簡単に見つかるとは!
キャメロットホテル
玄関のポーチにはお約束のように石に刺さった剣がある。良く見るとその剣は私が所有しているエクスカリバーと全く同じ形をしている。ポメル部分にはしっかりと『EXCALIBUR』の文字が…ま、いいか。誰が曲げたか知らないが、刺さっている根元はかなりグニャグニャと曲がっている。バカだなあ、抜けるわけ無いのにハハハ。(私も抜こうとしましたが・お約束^^;)
おそるおそる入り口の回転扉を押して中に入ると、受付に大柄な女性が1人いる。中はがらんとしていて静かだったが、思い切ってその女性に聞いてみた。「明日の夜、2人泊まれますか?」「大丈夫ですよ。」いやったああああああ!明日の宿ゲット!しかもキャメロットですぜ、ダンナ!かなりティンタジェルに近いけど。っていうかティンタジェルだよここ!いや、そんなことはノープロブレム。
これでバカアーサリアンとしての使命を1つクリアしたような気がするよ。
King Arthur's Arms
翌日の宿も無事予約して、我々は(私…だけか?)ウキウキと(死語)町のハイストリートへ。時間もその頃にはもう、7時半もまわっていたので我々はどこかのパブで夕食を取ることにした。 ティンタジェルの町中には、いたるところにB&Bとパブがある。パブもほとんど全部B&B付きだったりする。その中から1つのパブを選んで入ってみた。その名も『King Arthur's Arms』。いいじゃない。ここまで来たらとことんやらせてよ(笑)。
King Arthur's Arms
店の中にはアーサー関連の(お世辞にもあまり上手いといえない)油絵が沢山あったりする。そしてメニューも…。
『エクスカリバーガー』
いきなりやられたよ。
メニューはクリックで拡大します。 右はアーサー・エール、エクスカリバーガー(チキン)、ジャケットポテト(King
Arthur味)
そして何故か各種ジャケットポテトに登場人物の名が…『King Arthur チリコンカン付きジャケットポテト £4.95』『Sir.
Kay バター付きジャケットポテト £2.50』…ケイ、安っ!!(笑)
トリスタンがツナってのもかなり笑える。しかし、何故にガウェインが無いのだろう?虐げられているのか?
ダンナはカレーを頼んでいたが、もちろん私はエクスカリバーガー(チキン)とKing Arthurのジャケットポテト。そしてお酒は『King
Arthur's ALE』(多分、この店のオリジナルだと思う)。エクスカリバーガーは少々安い味がしたがジャケットポテトはなかなか美味しい。
エールも飲みやすく、いい気分になった我々は暗くならないうちに(といっても9時半頃…)ペンドラゴン・ハウスへと戻った。
■アクセス
【ボドミン経由】
・バス(コーチ)
ロンドンのヴィクトリア・コーチ駅よりボドミン行きに乗車(約6時間)。タクシーまたはバスに乗り換え(約40分)。
コーチ、ローカルバス共に1日に2〜3本(ローカルは平日のみ)。
・ 鉄道
ロンドンのパディントン駅よりペンザンス行きに乗車。ボドミン・パークウェイ駅で下車(約4時間半・1時間に1本程度)。タクシー利用でティンタジェルへ直行(約40分)。もしくは駅前発のバスでウェイドブリッジ下車(約40分・1時間に1本)、ティンタジェル行きに乗り換え・終点下車(約1時間・2時間に1本)。
【エクセター経由】
エクセターからはティンタジェル行きのローカルバスに乗り換え(約2時間)。ローカルバスは1日に4本。ただし日曜日は運行していないので注意が必要。
・バス(コーチ)
ロンドンのヴィクトリア・コーチ駅よりエクセター行きに乗車(約4時間半)。エクセター行きのバスは1時間半〜2時間おきに発車。
・鉄道
ロンドンのパディントン駅よりペンザンス行きに乗車。エクセター駅で下車(約2時間半)。
1時間に1本程度(ハイシーズンはもう少し多いかも)
ティンタジェル周辺の地図
■関連HP
TINTAGEL - KING ARTHUR
COUNTRY
ティンタジェルの情報サイト。宿泊情報や観光地の情報なども充実していて便利。写真が多いのでビジュアル的にも充分楽しめる。
CAMELOT CASTLE HOTEL
アーサーリアン御用達?のキャメロットホテルのオフィシャルサイト。
King Arthur's
Arms
レストラン・パブを併設したB&B。登場人物の名前を冠したメニューがある。
King Arthur's
Great Hall
金持ちが趣味で造ってしまったというアーサー王の広間のサイト。
アーサリアン・センター
敷地内に最後の古戦場・アーサーの石がある、アーサー王に関する情報のある施設のサイト。