伝説の地への旅…憧れの地への旅行記

伝説の眠る町・ティンタジェル(3日目)

伝説の街、ティンタジェル。その地形や風土は伝説をよりリアルに感じさせる。交通機関も少なく、訪れるには多少の努力が必要。
※ここでは、他の土地と違って日記形式でお送りします。私の浮かれぶりをとくとご覧下さい。

INTRODUCTION

3日目。朝食を取りにホテル内のレストランへ行った時、宿泊者の人数を知ることができた。全部で5組。おいおい、少なすぎやしませんか?受付で見たときは鍵は50近くあったはず。確かにトップ・シーズンではないけれど、悪い季節でもないでしょうに…(笑)。
後から知ったことだけど、人数がそれなりにいると夜に何やらイベントがあるらしい。ちょっと外しちゃったかな。

ドズマリー・プール

今日の予定は、ドズマリー・プールへ行くこと。しかし、やっぱり行き方が分からない。
ホテルを後にして再び観光案内所へ。昨日みたいにタクシーをチャーターしてくれることを期待しつつ、案内所にいたおばさんに尋ねると、
「ここではタクシーを呼ぶことはできない。」
と言われてしまった。何ー!?じゃあ、昨日は何だったのー!?
「昨日はここで呼んでもらったんですけど…」
「タクシーなら、向こうで呼ぶことができるわよ」
と教えてもらった先はなんとアウトドア用品を扱う店。しかし、よく見ると表に『レンタルサイクル』と『アーサリアン・ツアー』の看板が。タクシーって、このツアーのことだったんだ!店に入って事情を話すと、おじさんが快く引き受けてくれた。あたりまえか、商売だもんな。

そんな訳でタクシーに乗り、ボドミン・ムーアという荒野の中にあるドズマリー・プールへと向かった。このボドミン・ムーアが曲者で、とにかく広い広い。聞けば25マイルも続いているという。私はあわよくばドズマリープールまでの道を覚えようとしていたが、甘かった。だだっぴろい荒野のどこに目印があるのか、タクシーは右に曲がり、左に曲がり、くねくねとただひたすら荒野を進む。途中で頭が完全にショートした私は、道を覚えるなんてことはあきらめた。

やがて、2つの大きな池(?)が荒野に現れた。どうやらどちらかがドズマリー・プールらしい。奥の方がドズマリー・プールだったらしく、運ちゃんは脇道にタクシーを止めた。が、しかし。なにやら看板がかかっている。
この場所からドズマリー・プールに近づくには、2つの道があった。しかし、どちらの道にも柵がしてあり、看板がかかっている。1つ目の道には『私有地』の看板が。そしてもう1つの看板は…Oh,Nooooooo!!!ここまで来てやられたよ、口蹄疫め!!
しかたなく有刺鉄線の狭間から遠目にドズマリー・プールを眺める。荒野にぽつんと池がある。天気も曇っていて陰鬱な感じがする。晴れていればもっと違う印象を受けただろうな。…ああ、もっと近づきたかったよう。

ドズマリー・プール。手前の有刺鉄線が悲しい…
ドズマリー・プール。手前の有刺鉄線が悲しい…

荒野をさまようタクシー

ドズマリー・プールを後にして、運ちゃんが
「これからどうする?」
と聞いてきた。私は無理だろうなと思いながらも
「ムーアの中にあるアーサー王の広間とアーサー王のベッドを見てみたい」
とつぶやいた。すると、彼はティンタジェルの町中にある『king Arthur's Great Hall』と勘違いしたらしく、
「じゃあ、ティンタジェルに戻るよ」
と言い出した。ああ、違うんだってば〜。
なんとか説明して彼に分かってもらうことができたが、地元の運ちゃんにしても知らないという。やっぱり。そんな予感はしてたんだ。

しかし、口蹄疫でドズマリー・プールに近づけなかったのがよほど悔しかったのか、彼のプロ根性に火がついてしまった。とにかく車で走り回り、行く先々で『アーサー王の広間』と『アーサー王のベッド』について聞きまくる。
「やっぱり駄目だ。口蹄疫で近づけそうも無い」
と言いつつ、さらに各地で聞きまくる運ちゃん。ありがとう、もういいよう、諦めるよう。っていうか諦めるって言ってるじゃん!

とうとう、運ちゃんも諦めてティンタジェルへと帰ることになった。途中、英国の女流作家、モウリエの小説『ジャマイカ・イン』で有名なジャマイカ・インに差し掛かった。運ちゃんはまだプロ根性に火がついたままだったらしく、
「どうする?ジャマイカ・インに寄ってみるか?」
と聞いてきた。結構疲れていたし、お昼時にもなっていたので我々は寄らないことを告げた。すると運ちゃんはビックリした様子で、
「本当に寄らないの?本当だね?絶対?行った方が良いよ?後悔するよ?」
ぐらいの勢いで我々を攻めたててきた。
「いいです、行きません。」
NOと言えた日本人(笑)。でもちょっと惜しかったのかな、もしかして。

最後の日に

ティンタジェルの町に戻った我々は、最後の土産物探し。今日でティンタジェルを離れなければならない。だんなと一緒にティンタジェル話をした。

将来、ティンタジェルにB&Bを買って、世界中のアーサリアンを相手にするのも悪くないね、と。B&Bの名前は、『アーサー』とか『エクスカリバー』とか『キャメロット』関連はもう取られちゃってるから『ラウンド・テーブル』関連あたりがいいかな。壁にはアーサー関連のブツ(笑)を沢山飾って、本も集めて。夜は食事は出せないけど(B&Bだから)、ライセンスとってお酒は出したいなあ。で、一晩中アーサー王について語り合う。
ただし、夏の間だけ…(笑)。

オマケ画像

クリックすると大きな画像が表示されます。

■St Materiana's Church■
ティンタジェルにある古い教会の風景。 ■黄昏時のティンタジェル城■
反対側にあるキャメロットホテルからのティンタジェル城。ちょっと暗くなりかけ。 ■夕暮れ■
ティンタジェルの町からの海側の風景。手前は駐車場 ■土産物屋のディスプレイ■
よく見ると色々あったりして ■土産物屋の中で…■
有名なモルガンの絵画と同じポーズの置物。周りのブツも結構怪しげ(笑)。

左より

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■アクセス
【ボドミン経由】
・バス(コーチ)
ロンドンのヴィクトリア・コーチ駅よりボドミン行きに乗車(約6時間)。タクシーまたはバスに乗り換え(約40分)。
コーチ、ローカルバス共に1日に2〜3本(ローカルは平日のみ)。
・ 鉄道
ロンドンのパディントン駅よりペンザンス行きに乗車。ボドミン・パークウェイ駅で下車(約4時間半・1時間に1本程度)。タクシー利用でティンタジェルへ直行(約40分)。もしくは駅前発のバスでウェイドブリッジ下車(約40分・1時間に1本)、ティンタジェル行きに乗り換え・終点下車(約1時間・2時間に1本)。
【エクセター経由】
エクセターからはティンタジェル行きのローカルバスに乗り換え(約2時間)。ローカルバスは1日に4本。ただし日曜日は運行していないので注意が必要。
・バス(コーチ)
ロンドンのヴィクトリア・コーチ駅よりエクセター行きに乗車(約4時間半)。エクセター行きのバスは1時間半〜2時間おきに発車。
・鉄道
ロンドンのパディントン駅よりペンザンス行きに乗車。エクセター駅で下車(約2時間半)。
1時間に1本程度(ハイシーズンはもう少し多いかも)
ティンタジェル周辺の地図


■関連HP
TINTAGEL - KING ARTHUR COUNTRY
ティンタジェルの情報サイト。宿泊情報や観光地の情報なども充実していて便利。写真が多いのでビジュアル的にも充分楽しめる。
CAMELOT CASTLE HOTEL
アーサーリアン御用達?のキャメロットホテルのオフィシャルサイト。
King Arthur's Arms
レストラン・パブを併設したB&B。登場人物の名前を冠したメニューがある。
King Arthur's Great Hall
金持ちが趣味で造ってしまったというアーサー王の広間のサイト。
アーサリアン・センター
敷地内に最後の古戦場・アーサーの石がある、アーサー王に関する情報のある施設のサイト。